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Press Release
2023.2.9
細胞培養の自動化・最適化トータルソリューションを共同で販売することについて、エピストラ株式会社と合意しました
ロボティック・バイオロジー・インスティテュート株式会社(所在地:東京都江東区、代表者:代表取締役社長 松熊研司、以下RBI)とエピストラ株式会社(所在地:東京都港区、代表者:代表取締役CEO 小澤陽介、以下エピストラ)は、細胞培養の自動化・最適化トータルソリューションを共同で販売することに合意しました。
■合意の内容
RBIのLabDroid「まほろ」による細胞培養実験の自動化に当社の実験プロトコル自動最適化ソリューションEpistra Accelerateを組み合わせて、お客様の実験室での細胞培養の自動化から培養プロトコル最適化までを一気通貫でサービス提供致します。
OECDによれば、2030年には、バイオ関連市場(バイオエコノミー)は世界で1.6兆ドルと予想されており、中でも再生医療の市場規模は2030年には1兆円(世界では12兆円)と大幅に飛躍することが期待されています(*1)。
しかしながら、生きた細胞を最終製品とする再生医療等製品の開発では細胞培養の困難さが大きな課題として存在しています。具体的には、高度な技能を持った名人でなければ臨床グレードの細胞を製造するのが難しいといった課題や、原料とする細胞がばらついていることより最終製品の品質を安定的に保つことができる条件を発見するのが容易ではないといった課題です(*2)。
これらの課題について、EpistraとRBIは理化学研究所と共同研究を行い、その成果を論文発表しました(2022年6月プレスリリース(*3)。今回の協業は、共同研究で行ったRBIのロボットによる細胞培養実験の手技の自動化と、Epistraの AIによる培養条件の自動最適化を一つのソリューションとしてサービス提供するものです。合意の覚書(MOU)は2023年1月1日付けで調印されました、今後共同で再生医療等製品の開発を行っている企業に対して同ソリューションを提案して参ります。
■汎用ヒト型ロボットLabDroid「まほろ」
RBIが開発した生命科学実験用のヒューマノイドロボットシステム。ヒトと同じ自由度の2本の腕を使い、人間が実験で使用するのと同じ実験器具で作業を行います。熟練者の細胞培養における手技を数値化・最適化し、高精度で繰り返し再現可能です。今後は手技・判断(匠の技)をロボット・AIに継承させることで、安全かつ高品質な細胞を安定して製造するプロセスの開発が期待できます
URL:https://rbi.co.jp/concept/
■実験自動最適化システムEpistra Accelerate
ライフサイエンスの研究開発では、手作業での実験と試行錯誤の繰り返しを要因とした様々な課題が存在します。 AIによる自動実験最適化システム Epistra Accelerateにより、これまでよりも少ない試行回数で目的とする最適条件を発見できます。
当社独自開発の自動実験計画AIは、ベイズ最適化技術をベースとした当社独自のアルゴリズムを実装した、ライフサイエンスの問題を解くために強化したAIです。ライフサイエンスの問題には標準のベイズ最適化技術を適用する上で3つの問題(高次元・高ノイズ・高コスト)があり、独自アルゴリズムによりこれらを解決します。
Epistra Accelerateは理化学研究所との共同研究で熟練した匠の技を超える分化効率を達成するプロトコルを自動的に探索することに成功しました。バイオ素材、食品、製薬などの大手企業への導入も進んでいます。
URL:https://www.epistra.jp/solution
*1) 再生医療の実用化・産業化に関する研究会「再生医療の実用化・産業化に関する報告書 最終取りまとめ」平成25年2月22日(経済産業省製造産業局生物化学産業課)
*2)iPS細胞を作るのが難しい理由【理研・高橋政代が語る、眼科治療の今と未来 その1】, https://zeroichi.media/with/1318
*3)再生医療用細胞レシピをロボットとAIが自律的に試行錯誤-ロボット・AI・人間の協働は新しいステージへ- 2022年6月28日
https://www.riken.jp/press/2022/20220628_2/index.html